開催期間2014年7月11日(金) から 2014年9月16日(火)
概要著作権の関係上、作品の印刷はできません。
藤田嗣治の1930年代の絵画とともに『随筆集 地を泳ぐ』の中から藤田の文章を紹介します。絵画と言葉が響き合う展観をお楽しみください。
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藤田嗣治は1931(昭和6)年、画家として脚光を浴びたパリを離れ、ブラジルへと旅立ちます。その後、約2年間、中南米と北米を巡り、1933(昭和8)年に帰国しました。日本では、絵画を制作するかたわら、新聞や雑誌に随筆を寄稿しました。それらの文章は、後に2冊の随筆集に採録されることになります。1942(昭和17)年に刊行された『随筆集 地を泳ぐ』には、パリ時代の思い出、世界各国を歴訪した旅、日本での暮らしについての随筆が収録されています。 平野政吉コレクションに収められている藤田の1930年代の作品群は、随筆に繰り広げられている情景を彷彿とさせる絵画が少なくありません。藤田の鋭い観察眼に捉えられた人々の営み、画家の見聞と体験とが、対象の核心を捉えたリアルな絵画に、また感興を乗せて綴った言葉のそれぞれに表現されました。 本展では、リオ・デ・ジャネイロの街路、メキシコの人々の顔貌、中国や沖縄の風景、日本のアトリエを描写した作品とともに、『随筆集 地を泳ぐ』の中から作品の周辺を鮮やかに浮かび上がらせる文章を紹介します。随筆集のページをめくるように、絵画と言葉が響き合う展観を楽しんでいただければ幸いです。 |