開催期間2015年7月24日(金) から 2015年9月29日(火)
概要 「欧州の空気に押し潰されて、どうしても南米の大空を心行くまで吸って晴々してみたい」-藤田嗣治は1931年10月、パリを離れ、シェルブール港からブラジルへと旅立ちます。藤田のかたわらには、若いフランス人の女性が寄り添っていました。女性の名は、マドレーヌ・ルクー。パリではカジノ・ド・パリの踊り子兼歌手でした。藤田とマドレーヌは、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、キューバ、メキシコなどを巡遊します。旅の途上、マドレーヌは藤田の妻となりました。
ふたりは、中南米の各国の民族文化に触れながら旅を続けます。逗留が約7ヵ月にも及んだメキシコでは、マドレーヌが、アステカ文明などの歴史を刻むメキシコの文化に惹きつけられました。 1933年11月、藤田はマドレーヌとともに帰国します。東京の戸塚にアトリエ兼住居を建て、そのインテリアをマドレーヌ好みのメキシコ風としました。 このたびの展覧会は、フランス人でありながら非ヨーロッパの文化を愛したマドレーヌに焦点をあてます。藤田とマドレーヌが日本に持ち帰ったメキシコの土偶やペルークスコ派の宗教画、藤田がメキシコの人々を描いたデッサンなどで、ふたりの中南米の旅を跡づけます。そして、日本滞在時に、藤田が妻への愛情を込めて描いた《五人女》も紹介します。藤田とマドレーヌの旅に寄り添うように、鑑賞していただければ幸いです。 |
ギャラリートーク 7月25日(土) 8月15日(土) 9月19日(土) 各日とも14:00~ |