開催期間2019年7月21日(日) から 2019年9月23日(月)
概要平野政吉のコレクションの核となっているのは、藤田嗣治(1886-1968)の1930年代の作品群です。
1920年代のパリにおいて、「乳白色の裸婦像」で脚光を浴びた藤田ですが、1931(昭和6)年10月にパリを離れ、フランス人女性のマドレーヌ・ルクーとともに中南米を歴訪し、1933(昭和8)年11月に帰国します。帰国後は、東京・戸塚にアトリエを構え、二科展において作品を発表、また東京、大阪、京都で壁画を制作しました。 1934(昭和9)年秋の二科展会場で、藤田と平野は初めて挨拶を交わします。1936(昭和11)年6月、戸塚のアトリエでマドレーヌが急逝。藤田は間もなく、平野のもとへ秘書を遣わします。マドレーヌの鎮魂ための「藤田美術館」の建設と、多数の藤田作品の譲渡を提案し、藤田と平野は合意に至ります。藤田はまた、秋田で壁画を描くことを表明し、平野がアトリエとして提供した米蔵で、1937(昭和12)年3月に壁画《秋田の行事》を完成させました。しかし、美術館は着工したものの、戦時下、資材不足などで建設が中止となります。 本展では、平野政吉コレクションの藤田作品の中から、日本に構えたアトリエを描いた油彩画、マドレーヌをモデルにした作品、中南米での藤田の収集品などを紹介します。 |