開催期間2015年10月3日(土) から 2016年1月17日(日)
概要 秋田市の資産家・平野政吉は、生涯を賭けて美術品を蒐集しました。平野の蒐集を支えたのが、画家・藤田嗣治とともに構想した美術館建設の夢でした。
パリにおいて、乳白色の裸婦像で脚光を浴びた藤田は、中南米を歴訪後、1933(昭和8)年11月に帰国、東京にアトリエを構えます。二科会会員となり、ブラジルやメキシコに取材した作品などを発表、また東京、大阪、京都で壁画を制作しました。1934(昭和9)年秋の二科美術展の会場では、藤田と平野がはじめて挨拶を交わしています。 藤田の妻・マドレーヌの死を契機として、平野は、1936(昭和11)年7月、秋田にマドレーヌ鎮魂の美術館を建てることを提案します。藤田は、この美術館のために、多数の自作を平野に譲渡し、1937(昭和12)年3月には、壁画《秋田の行事》を平野家の米蔵で制作しました。 平野と藤田が構想し、設計に関わった美術館は、着工したものの、戦時体制下、建設が中止となります。しかし、平野と藤田の夢は、約30年を経て、1967(昭和42)年5月、平野政吉コレクションの展観を目的とする秋田県立美術館の開館で実現しました。 本展では、平野政吉コレクションの中から、マドレーヌがモデルの作品を中心に、自画像やアトリエを描いた作品など、藤田の1930年代の代表作を紹介します。 |