開催期間2017年4月22日(土) から 2017年7月6日(木)
概要 秋田市の資産家・平野政吉は、生涯をかけて美術品を収集しました。平野の収集を支えたのが、画家・藤田嗣治とともに構想した美術館建設の夢でした。
パリにおいて乳白色の裸婦像で脚光を浴びた藤田は、中南米を歴訪後、1933(昭和8)年11月に一時帰国、東京にアトリエを構えます。二科会会員となり、ブラジルやメキシコに取材した作品などを発表、また東京、大阪、京都で壁画を制作しました。1934(昭和9)年秋の二科美術展の会場では、藤田と平野がはじめて挨拶を交わしています。 藤田の妻・マドレーヌの死を契機として、平野は、1936(昭和11年)7月、秋田にマドレーヌ鎮魂の美術館を建てることを提案します。藤田は、この美術館での展観を予定し、油彩画の大作を平野に譲渡しました。この時、秋田に入った作品群が平野政吉コレクションの核となります。1937(昭和12)年2月から3月、藤田は、壁画《秋田の行事》を平野家の米蔵で制作しました。 平野と藤田が構想し、設計に関わった美術館は着工したものの、戦時体制下、建設が中止となります。しかし、平野と藤田の夢は約30年を経て、1967(昭和42)年5月、平野政吉コレクションの展観を目的とする秋田県立美術館の開館で実現しました。 本展では、平野政吉コレクションの藤田作品の中から、リオ・デ・ジャネイロの街頭を描いた作品、沖縄に取材した作品など、色彩溢れる1930年代の油彩画を紹介します。 主な出品作品 藤田嗣治《秋田の行事》油彩・キャンバス 1937年 藤田嗣治《私の画室》油彩・キャンバス 1938年 藤田嗣治《吾が画室》油彩・キャンバス 1936年 藤田嗣治《台所》油彩・キャンバス 1940年 藤田嗣治《室内の女2人》油彩・キャンバス 1932年 藤田嗣治《町芸人》油彩・キャンバス 1932年 藤田嗣治《客人(糸満)》油彩・キャンバス 1938年 |
ギャラリートーク 解説スタッフによる、大壁画《秋田の行事》のギャラリートークを行います。 2017年 4月1日(土) 5月6日(土) 6月3日(土) 7月1日(土) ※各日とも午後2時より開始します。 ※事前申し込みは不要です。 ※観覧券または年間パスポートが必要です。 |